アブストラクト(33巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 成人の先天性食道気管支瘻の1手術例 ―本邦報告例の文献的考察―
Subtitle : 症例
Authors : 倉重眞澄, 草地信也, 加藤治, 神谷和明*, 伊藤康一*, 跡部俊彦**
Authors(kana) :
Organization : 東邦大学医学部第3外科, *春日台病院外科, **東邦大学大橋病院病理部
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 6
Page : 922-927
Year/Month : 1985 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 39歳男性の先天性食道気管支瘻を手術した. 組織学的に, 食道憩室は筋層を有した真性憩室で, 食道粘膜から気管支粘膜への移行が明らかに見られ, 炎症性所見は軽微であった. BF施行時, 食道内に注人した色素で, 瘻孔部位の診断が容易にできた. しかし, BF施行時, 気管支から食道へリドカインが流れ, 急性中毒に陥る危険性もあることが分かった. 本邦において, 1981年までに, 成人の食道気道瘻の報告例は90例ある. 交通部位は, 右優位, 下葉優位, S6優位, S6c優位である. Braimbridgeの分類に基づくと, I型が14.1%, II型が48.4%, III型が32.8%, IV型が4.7%であった. 先天性食道気管支瘻で, 食道閉鎖を伴っていないものの頻度は, 非常に少ない. 更に, 成人になって発症するものに関しては, 後天性食道気管支瘻との鑑別が必要となる. 食道憩室気道瘻に関しては, 憩室が先天性なのか, 後天性なのか, そして, 憩室は先天性だが, 瘻孔は後天性ではないかなどの考慮も重要である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道気管支瘻 成人, 先天性, ブロンコファイバー, リドカイン
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