アブストラクト(33巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 三重複癌の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 卜部憲和, 木村秀樹, 山口豊, 藤沢武彦, 門山周文, 柴光年
Authors(kana) :
Organization : 千葉大学医学部肺癌研究施設外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 6
Page : 933-937
Year/Month : 1985 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 三重複癌症例の報告は近年増加しつつあるが, 手術例の報告は少ない. このたび当施設において三癌すべてについて手術を施行した症例を経験したので報告する. 症例は昭和54年に下咽頭癌(第1癌)と診断され喉頭全摘術を施行された後, 経過観察中に早期胃癌(第2癌)を指摘され昭和57年に胃全摘術を施行された. 一方, 同時に胸部異常陰影も指摘され精査した結果, 原発性肺癌を疑い昭和58年5月手術を施行した. しかし開胸所見にて数ヵ所の肺内転移を認めたため原発巣及び転移巣の部分切除術を行った. 術後病理組織学的検索より第3癌は原発性肺癌(低分化型管状腺癌)と診断した. なお本症例は術後1年経過した現在でも再発の徴候を認めず日常生活を送っている. 多重複癌症例の報告は癌の診断・治療の進歩により長期生存例が増加したこと, 及び人口の高齢化が進みつつあること, などが加わって増加する傾向が認められるが, 一個体に発生する癌の数が多くなればなる程, その癌が原発性か転移性かの確定診断を下すことが難しくなり, 的確な治療を施行することが困難なことが多い.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 三重複癌, 外科療法, 肺癌, 下咽頭癌, 胃癌
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