アブストラクト(33巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 外傷性胸部下行大動脈破裂の1手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 湊直樹*, 伊藤翼, 夏秋正文, 山元博, 宮本忠臣**
Authors(kana) :
Organization : 佐賀医科大学胸部心臓血管外科, *筑波大学附属病院外科, **小倉記念病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 6
Page : 942-946
Year/Month : 1985 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 40歳男性. 工事労働者. フォークリフト運転中に横転し, 右肩から右胸部を地面に強打. 受傷50分後に, ショック状態で当院を受診した. 胸部エックス線で肋骨骨折, 上縦隔陰影拡大, 気管の右方偏位, 左第1弓の不鮮明化, 左肺全体の浸潤影を認め, 大動脈造影にて左鎖骨下動脈分岐直下に卵形の大動脈瘤と内膜亀裂を認めた. 外傷性胸部大動脈破裂の診断で, 受傷10時間後に緊急手術を施行した. 左開胸時, 胸腔内に1,200mlの出血があり, 大動脈は2/3周にわたって内膜・中膜が断裂し, 外膜のみによって大出血を免れていた. 下行大動脈人工血管置換術を施行し, 救命し得た. 近年交通事故に伴って大血管損傷が増えているが, 外傷性大動脈破裂はその80~90%が30分以内に死亡し, 生存して病院に運ばれる例は少ない. その救命には, 迅速な診断と緊急手術が必要である. 近年, 交通事故の増加に伴い, 大血管損傷が増加しつつある. 外傷性大動脈破裂は, その80~90%が30分以内に死亡すると言われており1), 生存して病院に運ばれる例は少ない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 外傷性大動脈破裂, 大動脈造影, 交通外傷
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