アブストラクト(33巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 運動負荷法による僧帽弁狭窄症OMC術後の心機能の検討
Subtitle : 原著
Authors : 畑沢幸雄, 若原秀雄, 佐々木成一郎, 谷口巌, 小林哲, 浅野孝治, 田部俊比古, 荒木威, 原宏, 森透
Authors(kana) :
Organization : 鳥取大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 7
Page : 981-988
Year/Month : 1985 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 純型僧帽弁狭窄症に対して, 直視下交連切開術がなされた17例(OMC群)と健康正常人7例(正常者群)を対象とし, 仰臥位エルゴメーターによる運動負荷を行い, 心エコー図により左室機能を検討した. 1. 色素希釈法で求めた心拍出量と心エコー法により求めた心拍出量とは, 安静時も運動負荷時もそれぞれ, r=0.85(p<0.025), r=0.90(p<0.01)と良好な相関がみられた. 2. 正常者群では心拍数, 一回拍出量の増加により心拍出量は有意に増加した. また, 駆出率, mVcf, 左室拡張末期容積の増加がみられた. 3. OMC群では心拍数の増加により心拍出量が増加した. 一回拍出量は増加しなかったが, これは主として左室拡張末期容積の減少と, mVcfが増加しなかったことによるものであった. 4. Sellors分類による病変分類でOMC群を分割すると, 運動負荷に対する反応はI型でほぼ正常者と同様な態度をとり, OMCの術効果が良好であったことが示された. III型では左室拡張末期容積が減少し, またmVcfの増加が得られず, よって心拍出量の増加は望まれず, 運動負荷に対する反応は不良であった. II型では左室拡張末期容積が減少したが, mVcfが増加し, 心拍出量の増加がみられた. 以上のごとく, 安静時における検討では必ずしも明瞭ではなかったOMCの術効果の発現の様式を, 運動負荷により明らかにし得, MSの術後心機能回復にとって, 弁機能の改善及び心筋収縮予備力の良否が, 重要な因子と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 僧帽弁狭窄症, 運動負荷, 心エコー, 左室拡張末期容積, mVcf
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