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開心術症例30例を対象とし, 術後早期にI群Dopamine(10μg/kg/min), II群Dobutamine(10μg/kg/min), III群両者併用(各5μg/kg/min)を投与し, 左心機能に及ぼす効果について比較検討した. 1. HR(心拍数)は, I群+34.7%(p<0.01), II群+15.8%(p<0.02)と投与後有意に増加したが, III群では+6.1%の増加にとどまった. また, I群における増加率はII, III群と比較し, 有意に大であった(p<0.01, p<0.01). 2. SAP(収縮期動脈圧)は, I群+20.2%(p<0.01), II群+14.5%(p<0.02)と投与後有意に上昇したが, III群では+6.4%の上昇にとどまり, その上昇率もII, III群に比較し, 有意に小であった(p<0.01, p<0.05). 3. CI(心係数), SI(一回拍出係数), LVSWI(左室一回仕事係数)は, I群+36.7%(p<0.01), +33.9%(p<0.02), +41.5%(p<0.01), II群+33.9%(p<0.01), +19.3%(p<0.01), +33.0%(p<0.01), III群+24.1%(p<0.001), +17.2%(p<0.02), +29.6%(p<0.05)と3群とも投与後有意に増加したが, 3群間に有意差は認められなかった. 4. Double Productは, I群+46.0%(p<0.05), II群+30.3%(p<0.05), と投与後有意に増加したが, III群では+12.9%の増加にとどまり, その増加率もI群と比較し有意に小であった(p<0.05). 以上, Dopamine及びDobutamine併用投与は, 両薬剤単独投与に比較して収縮期動脈圧の上昇作用は弱いものの, 左心機能の改善に心筋酸素消費量の増加を伴わず, 且つ両薬剤投与による頻脈などの副作用を防止でき, 開心術後早期に用いるinotropic agentsとしてより有用な投与方法といえる. |
