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当教室では1978年7月より1983年12月までに弁膜症々例120例に対し, St. Jude Medical(SJM)弁による弁置換術を施行している. 術後ほぼ全例にX線高速度シネ撮影(シネ撮影)による置換弁の非観血的弁機能評価を行っているが, そのうち単弁置換症例, 僧帽弁置換(MVR)28例, 大動脈弁置換(AVR)8例, 2弁置換症例, AVR+MVR7例, MVR+三尖弁置換(TVR)5例について検討を加えた. SJM弁の両leafletの非対称的な運動をasymmetric movementとし, leafletの振動をflutteringとした. asymmetric movementはMVR 3例(13%)に, AVR+MVR1例(14%)に観察され, flutteringはMVR2例(7%), AVR+MVR1例(14%)に観察された. asymmetric movement, flutteringの原因は, 心房細動(Af)などによる心内圧の変化, 大動脈弁逆流(AR)など考えられ, SJM弁のleafletが軽く, 弁抵抗が低く応答性に優れているためと考えた. 我々の教室では, シネ撮影をSJM弁置換患者の非観血的弁機能検査として外来follow upに使用しており, 実際, 弁機能不全を早期発見し救命し得た症例もあり, シネ撮影による弁機能評価は, SJM弁の生体内での動的運動を観察でき, 弁機能不全の早期発見に有用な方法となることが期待される. |
