アブストラクト（33巻7号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 下大静脈欠損・奇静脈接続を伴った右下肺静脈還流異常症の1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 稲岡正己, 柳谷晶仁, 塚本勝, 杉木健司, 安倍十三夫, 小松作蔵 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 札幌医科大学胸部外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 33 |
| Number ： | 7 |
| Page ： | 1091-1095 |
| Year/Month ： | 1985 / 7 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 13歳, 女児の下大静脈欠損・奇静脈接続を合併した右下肺静脈還流異常症の再手術例を報告する. 患児は5年前に心房中隔欠損直接閉鎖術とそれに伴う肺静脈閉塞症状のため欠損閉鎖の解除が施行されており, 今回当科での精査の結果, 下大静脈欠損・奇静脈接続, 心房中隔欠損症, 右下肺静脈右房還流及び肺高血圧症と診断した. 手術は, 左大腿動脈送血, 奇静脈及び上大静脈脱血による体外循環下に右房切開を行うと, 心房中隔欠損は下位欠損型で右下肺静脈が右房に開口していたため, 開口部を左房に誘導するようダクロン布を用い心房中隔欠損を閉鎖した. 術後は経過良好で, 術前に認められた心房性期外収縮し, 肺動脈圧も術前72/31mmHgから術後38/20mmHgへと低下した. 部分肺静脈還流異常症の診断には選択的肺動脈造影法に加え, 非観血的診断法として断層心エコー図法の有用性が示唆された. 下大静脈欠損・奇静脈接続は比較的まれな大静脈系の奇形で, そのほとんどが複雑な心内奇形あるいは内臓錯位を有する症例に合併するため, 本症を伴った根治手術の報告例は少ない. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 下大静脈欠損・奇静脈接続, 部分肺静脈還流異常症, 心房中隔欠損症, 再手術例, 断層心エコー図法 |
