アブストラクト(33巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 気管分岐部を合併切除した食道癌の1例
Subtitle : 症例
Authors : 島伸吾, 杉浦芳章, 米川甫, 吉住豊, 菊地敬一, 尾形利郎
Authors(kana) :
Organization : 防衛医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 7
Page : 1107-1111
Year/Month : 1985 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 食道癌のため食道気管瘻及び上大静脈閉塞を起こした56歳男性に, 胸部食道全摘, 気管・気管支を10軟骨輪切除し, 更に上大静脈の合併切除を行い, 気管分岐部の再建術及び2ヵ月後に食道再建術を行った症例を報告する. 本症例は約6ヵ月後に局所を中心とした再発のため死亡した. 麻酔法や気管再建法及び補強法につき検討した. 更に苦労した呼吸管理や気管分岐部切除の適応について言及した. 食道癌患者で気管合併切除の報告が最近多くなってきたが, 手術死亡は免がれたにしても遠隔成績は全く不良である. その原因は気管合併切除が必要な症例は既に広範に転移しているものが多いことと, 手術侵襲が大きく後療法が効果的に行えないことによると思われる. 更に食道癌は放射線治療が有効であるので, このようなA3症例には術前照射が選択され, その無効例に気管合併切除が実施される場合が多い. この場合照射は創傷治癒を障害するので, この点も問題になり手術適応となる症例は少ないものと考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道癌, 食道気管合併切除, 気管分岐部再建術, 食道気管瘻
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