アブストラクト(33巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 日齢2日で発症した動脈管動脈瘤の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 安斉徹男, 飯島哲夫, 前原正義
Authors(kana) :
Organization : 群馬大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 7
Page : 1119-1122
Year/Month : 1985 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 日齢2日に嗄声と呼吸困難で発症し, ACGとCTスキャンにて動脈管動脈瘤と診断し, 6週で瘤の剔出と伸展変位せる反回神経を正常に復し, 全治せしめた. 本症の発生は出生直後に, 動脈管のPA側のみ閉鎖し, Ao側が開いたままとなり, 動脈圧により瘤化するものとされている. 従って, 生直後より発生するもの多く, 2ヵ月以内例が70%を占める. 本症は文献上80例の報告をみるが, その多くは破裂, 血栓症, 感染, 神経麻痺による呼吸障害などで死亡している. 手術が行われたのは13例のみで, 2ヵ月以内の手術例は本報告が8番目である. 手術は乳幼児期のは容易だが, 巨大なもの, 石灰化の著しいものでは危険を伴う. 手術以外の治療法はないので, 診断のつき次第, 反回神経に注意しつつ, 瘤剔出を行う必要がある. 動脈管動脈瘤(ductal aneurysm:DA)は極めてまれな疾患であり, その発生が動脈管の閉鎖機転と深く関係しているため, 出生直後の新生児期に多いとされており, その破裂は致命的であるとされている1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 動脈管動脈瘤, 反回神経麻痺, 嗄声, 動脈管開存症, 新生児呼吸障害
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