アブストラクト(33巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心臓手術前後の血清酵素変動に関する研究
Subtitle : 原著
Authors : 壺井英敏, 毛利平
Authors(kana) :
Organization : 山口大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 8
Page : 1129-1141
Year/Month : 1985 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 当科における心臓手術例で, 体外循環前後の血清酵素, GOT, GPT, LDH, LDH1, CPK, CPK-MBを経時的に測定し得た85症例を各種項目別に比較検討した. 1)体外循環後GOT, LDH, LDH1, CPK, CPK-MBは著明に上昇した. 2)CPK-MBは心筋特異性が高く, 最も敏感で3~6時間目に最高値を示した. 3)total CPK-MB, peak CPK-MBは心筋障害を示す指標として良好であった. 4)CPK-MBの立ち上りを示すVCPK-MBは25mu/ml/hr以上の高値を示す場合にのみ心筋障害の指標となり得た. 5)total CPK-MBの代用として, 測定の簡単なpeak CPK-MBも心筋障害の指標となった. 6)total CPK-MB, peak CPK-MBは必ずしも術後心機能とは相関しなかった. 7)LOSの発生は高い酵素値, すなわちGOT 160U, LDH 950U, LDH1 400U, CPK 1,500mu/ml, CPK-MB 230mu/mlと相関があり, このうち3種以上の酵素値が上記値を越えたとき, LOS発現の可能性が高かった. 8)小児ではGPTを除く, すべての測定酵素が術前術後とも成人より高値であった. 9)間歇的大動脈遮断による開心術補助法は酵素値よりみて, 心筋への虚血の影響が強いと考えられ, 今後の改良が必要と思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 血清酵素, CPK, CPK-MB, 体外循環, 心筋保護
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