アブストラクト(33巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : まれな血管輪の1症例
Subtitle : 症例
Authors : 山田充, 日野宏, 小西正樹, 石丸新, 古川欽一, 高橋雅俊
Authors(kana) :
Organization : 東京医科大学外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 8
Page : 1240-1244
Year/Month : 1985 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は54歳男性で, 嚥下困難を主訴としていたが, RI-angiogram, Cineangiogramにて, 右大動脈弓, 鏡像分枝, 左動脈管索, 大動脈憩室を合併した極めてまれな血管輪の診断を得た. 手術は, 右半側臥位, 左第3肋間開胸で行われ, 左動脈管索切断と, 憩室の縫縮を行った. 術後臨床症状は完全に消失し社会復帰した. 血管輪は比較的まれな疾患ではあるが, 発見率が低いことによるためとも言われている. 血管輪の形態は多彩であるが, 我々の症例は, 右大動脈弓, 鏡像分枝, 左動脈管索, 大動脈憩室がみられたもので, この型の血管輪は, 本邦では1例の報告があるのみで, 極めてまれである. 本症例に対する手術経験に, 文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者:54歳, 男性, 地方公務員 主訴:嚥下障害 家族歴:特記すべきことなし 既往歴:40歳時胃潰瘍手術. 49歳時腰椎椎間板ヘルニヤで3ヵ月入院. 54歳時胆石症にて胆嚢摘出術. 現病歴:乳幼児期に喘息様症状があったと両親から聞かされていたが, 本人の記憶にはない. 胆嚢摘出術の術後に主訴が出現し, 食道透視, 食道ファイバースコープ所見から, 食道後方粘膜下腫瘍を疑われて, 昭和57年3月精査目的で当科を紹介され, 入院した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 血管輪, 右大動脈弓, 鏡像分枝, 左動脈管索, 大動脈憩室
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