アブストラクト(33巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 両側部分肺静脈還流異常症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 佐々木成一郎, 小林哲, 杉山長毅*, 荒木威, 原宏, 森透
Authors(kana) :
Organization : 鳥取大学医学部第2外科, *鳥取県立中央病院胸部心臓外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 8
Page : 1250-1254
Year/Month : 1985 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 左上肺静脈が垂直静脈を介して左腕頭静脈に, 且つ右上中肺静脈が上大静脈に異常還流する珍しい型の部分肺静脈還流異常症を経験した. 症例は34歳の男性で, 心不全症状を主訴とし, 心臓カテーテル検査及び肺動脈造影で両側の肺静脈還流異常を確認した. 手術は胸骨正中切開, 中等度低体温下に体外循環を併用し左腕頭静脈を垂直静脈流入部より末梢で結紮し, 拡張した左腕頭静脈から, 上大静脈, 右房にかけて切開し, 背側が肺静脈路, 腹側が上大静脈路となるように2腔に形成した. そして, 肺静脈路は拡大せしめた心房中隔欠損を介して左房腔へ導き, 上大静脈は右房腔へ流入するように, 新たに中隔を形成した. 狭窄を防ぐため上大静脈は心外膜パッチで拡大した. 血管造影では右側腕頭静脈流入部の狭窄が認められるものの, 術後1年の現在日常生活に差し支えなく経過している. 部分肺静脈還流異常症(以下PAPVC)は右上肺静脈が上大静脈に還流する例が多いが, 我々はこれに加えて左上肺静脈が垂直静脈を介し左腕頭静脈に異常還流する症例を経験した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 部分肺静脈還流異常, 垂直静脈, 肺動脈弁狭窄, 上大静脈分割
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