アブストラクト(33巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Ivalon sponge occlusion法施行後, II期的にreentryを閉鎖し得たDeBakeyIIIb型解離性大動脈瘤の1例
Subtitle : 症例
Authors : 白方秀二, 中路進, 相馬彰, 橋本宇史, 佐藤伸一, 岡隆宏
Authors(kana) :
Organization : 京都府立医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 8
Page : 1255-1259
Year/Month : 1985 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 胸痛及び発熱を主訴とする59歳, 男性のDeBakey IIIb型解離性大動脈瘤に対しentry閉鎖と同時に末梢側解離腔の血栓形成を目的としてIvalon spongeを横隔膜の高さまで挿入し根治をはかったが, Ivalon spongeを挿入しなかった腹部大動脈の解離腔には血栓は形成されなかった. 術後65日目に漸増する腹部の激痛を訴えるようになったため緊急入院し血管造影の結果, 左総腸骨動脈にreentryを認め, 更に解離腔内への造影剤の逆流と瘤径の拡大を認めたためreentry部に人工血管置換術を行い, II期的に根治せしめることができた. Ivalon sponge occlusion法においてreentry部位の閉鎖を行った症例は本邦では第1例目であると思われるので報告する. DeBakey IIIb型解離性大動脈瘤は解離腔の破裂出血, 主要分枝閉塞による合併症などにより短期間に死亡する例もあるが, 急性期における薬物療法の成績も比較的良好であることから確実な診断と同時に外科的治療を行うか, 薬物治療を優先させるかは症例により慎重に決定する必要がある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : DeBakey IIIb型解離性大動脈瘤, entry, Ivalon sponge, reentry
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