アブストラクト(33巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : PTCA後緊急A-Cバイパス術を行った血液透析患者の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 幕内晴朗, 布施勝生, 小西敏雄, 関顕*, 中西成元*
Authors(kana) :
Organization : 虎の門病院循環器センター外科, *虎の門病院循環器センター内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 8
Page : 1260-1266
Year/Month : 1985 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 血液透析患者にPTCAを試みたところ, 切迫梗塞となったため緊急A-Cバイパス術を行い, 治癒せしめたので報告した. 症例は48歳の男性で, 1年8ヵ月前から血液透析を受けていたが, 3ヵ月前から労作時狭心痛が頻発するようになり, CAGを行ったところ, 左前下行枝に90%の狭窄が認められた. これに対してPTCAが試みられたが, ガイドワイヤが通過した時点で切迫梗塞となったため, 緊急A-Cバイパス術を施行した. 術中はdialyzerを人工心肺回路に組み込んで体外循環中の除水を行った. 血液透析は術後第1日目から行ったが, その際低流量によるdialyzer内での血液凝固を防止する目的で, 補助ポンプを使って血液の一部を再循環させる部分血液再循環法を用いることにより, 循環虚脱や後出血の合併症もなく, 順調に経過した. 近年開心術の手術成績は著しく向上しており, それに伴って血液透析患者に対しても心臓手術が行われるようになってきている1)~6)が, 本邦では報告例が少なく7)~13), 特に虚血性心疾患に対するA-Cバイパス術の報告はいまだ見当たらない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : PTCA, 緊急A-Cバイパス術, 血液透析, ECUM, 部分血液再循環法
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