アブストラクト(33巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ファロー四徴症根治術後急性期における右室左室収縮期圧比, 心拍出量の変動と酸素消費量について
Subtitle : 原著
Authors : 大竹重彰, 広瀬一, 松田暉, 中埜粛, 大谷正勝, 高義昭, 田村謙二, 金香充範, 加藤寛, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 9
Page : 1275-1279
Year/Month : 1985 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : ファロー四徴症8例について, 根治術後急性期における右室左室収縮期圧比(RV/LV比)心係数(CI)の変動とともに酸素消費量(VO2)の変動を検討した. 体外循環直後にはRV/LV比は0.65±0.16, CIは4.07±0.37l/min/m2でともに高値を示しhyperdynamicな状態にあり, VO2もこれに対応して166.6±43.2ml/minと術後急性期を通じて最高値を示していた. しかし閉胸直前にはRV/LV比は0.44±0.17, CIは2.88±0.34l/min/m2と有意(それぞれp<0.05, p<0.001)に減少し, 同時にVO2も117.8±36.4ml/minへと有意(p<0.01)に低下していた. 術翌朝ではICU入室直後に比しRV/LV比に有意な変化はなく, CIはわずかに増加傾向にあったが, VO2は126.5±29.2ml/minから99.2±17.1ml/minへと更に有意(p<0.01)に減少しており, この間のVO2の減少には心筋以外の体の末梢組織での酸素消費の減少が大きく関与していると考えられた. また混合静脈血酸素分圧(PvO2), 混合静脈血酸素飽和度(SvO2)は心拍出量の減少にもかかわらずVO2の減少のため上昇が続き, ファロー四徴症根治術後急性期においては, PvO2, SvO2ともに心拍出量の推定に用いることはできないと考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : ファロー四徴症根治術, 右室左室収縮期圧比, 心拍出量, 酸素消費量, 混合静脈血酸素分圧
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