アブストラクト(33巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 気管・気管支形成術に際しての高頻度換気法(HFV)使用に関する基礎的研究
Subtitle : 原著
Authors : 村上眞也, 小林弘明, 渡辺洋宇, 小田誠, 品川誠, 岩喬
Authors(kana) :
Organization : 金沢大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 9
Page : 1329-1335
Year/Month : 1985 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 気管・気管支形成術に際して, 術野の障害なしに換気を行うことは手術成績を左右する極めて重要な問題である. 通常の気管チューブ挿管下では気道確保・呼吸管理は容易であるが, 気道再建操作に際して術野が障害される欠点がある. 高頻度換気法(HFV)は口径数mmの小口径チューブを用いて換気を行うことが可能であり, 気道再建手術に際しては, 極めて好都合である. これまでに気管・気管支形成術に際してのHFV使用に関する基礎的研究の報告はない. 我々は動物実験にて, 至適駆動条件について検討した. IPPV及び種々の駆動条件のHFVによる呼吸管理を行いつつ, 右開胸, 右側上葉sleeve lobectomy, 右側sleeve pneumonectomyを施行した. またHFV用チューブの至適位置と残存肺の気管支の長さによる影響を調べるため, 右肺剔除・気管分岐部3cm口側にて気管切離後, チューブ先端の位置を種々の部位におきHFVを施行し比較した. HFV装置は泉工医科社製HFO-jet ventilatorを, catheterには外径3.0mm(内径2.4mm)のチューブを用いた. 結果は次のごとくである. 1)sleeve lobectomyの際の補助換気法として, 術側残存肺のHFV併用は有用であり, 駆動圧0.5~1.0kg/cm2・駆動回数6~10Hzが至適であった. 2)sleeve pneumonectomyの吻合操作中の換気はHFV単独で可能であり, 駆動圧1.0~2.0kg/cm2・駆動回数6~10Hzが至適であった. 3)HFVチューブ先端は残存肺気管支分岐部1~2cm口側が至適位置であった. それより残存肺気管支の長さが短いと, 適切な換気が不可能であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 高頻度換気法, 気管・気管支形成術, 呼吸管理
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