アブストラクト(33巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大腿動脈送血による急性逆行性大動脈解離
Subtitle : 症例
Authors : 安藤史隆, 則武正三, 中村良雄, 楠本幸弘, 北山仁史, 松野修一
Authors(kana) :
Organization : 静岡県立総合病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 9
Page : 1390-1396
Year/Month : 1985 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 大腿動脈送血による拍動流体外循環下に, 左房内血栓摘除, 僧帽弁置換, 三尖弁輪縫縮手術を行った. 術中, 逆行性大動脈解離が生じたため, 送血を対側大腿動脈に移し, 併せて上行大動脈解離腔の閉鎖を行った. しかし, 十分な監視体制にもかかわらず発見が遅れた結果, 重篤な中枢神経障害と腎不全を併発し, 患者を術後25日目に失った. 本合併症は予想されるよりは高頻度に発症し, しかも致命率が高いこと, また発症した場合の新たな送血部位の選択, 解離に対する処置などについて文献的考察を行うとともに, 送血は可及的に上行・弓部大動脈より行うこと, 特に拍動流灌流を用いる場合には逆行性送血は禁忌であること, また本例のごとく不顕性の場合があるため, より厳重な注意が必要であることを強調した. 近年, 人工心・人工肺を中心とした体外循環技術の改良は, 心筋保護法の進歩と相まって, 開心術をより安全でしかも簡便なものとしてきているが, なお基本的問題による合併症がみられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大腿動脈送血, 逆行性送血, 拍動流体外循環, 急性逆行性大動脈解離
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