アブストラクト(33巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 軽度大動脈弁病変を合併した僧帽弁狭窄症の血行動態に関する研究 ―特に運動負荷に基づく評価から―
Subtitle : 原著
Authors : 佐藤重夫, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 10
Page : 1939-1949
Year/Month : 1985 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1)僧帽弁狭窄症(MS)に合併した軽度の大動脈弁病変(A)が連合弁膜症の病態にいかに関与するかを明らかにするために, Aを合併したMS 9例(MS+A群)に運動負荷時における血行動態の検索を行い, Aを合併しないMS 9例(MS群)を対照とし比較検討を行った. 2)安静時においては肺動脈平均圧(PAm), 左房平均圧(LAm)は両群間に差を認めなかったが, 運動負荷時ではMS+A群のPAm, LAmはMS群に比し有意(各々p<0.01, p<0.02)に高値を示した. 3)安静時並びに運動負荷時において, 肺血管抵抗(PVR), 僧帽弁弁口面積(MVA)は, 両群間に差を認めなかった. 4)安静時においては左室拡張末期圧(LVEDP)は両群間に差を認めなかったが, 運動負荷時においてはMS+A群のLVEDPはMS群に比し有意(p<0.02)に高値であった. 5)左室コンプライアンスの指標として求めたΔV/ΔPは, 安静時においては両群間に差を認めなかったが, 運動負荷時ではMS+A群がMS群に比し有意(p<0.02)に低値であった. 6)MS+A群の左室壁厚は, MS群に比し有意(p<0.005)に高値であった. 7)以上より副病変としてAを合併したMSでは, Aのために左室壁厚は増大し, これがために運動負荷時においてΔV/ΔPの低下, LVEDPの上昇, 更にはLAm, PAmの一層の上昇を示すと考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 僧帽弁狭窄症, 大動脈弁弁膜症, 連合弁膜症, 血行動態的検査, 運動負荷
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