アブストラクト(33巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右中間気管支幹に発生し, 右下葉内に多数の転移巣を形成した気管支カルチノイドの1例
Subtitle : 症例
Authors : 田中宏紀, 市村秀樹, 原普二夫, 正岡昭*, 全並秀司*
Authors(kana) :
Organization : SLセントラル病院外科, *名古屋市立大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 10
Page : 1975-1979
Year/Month : 1985 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 気管支カルチノイドは, slow growing, low malignant potentialの腫瘍として知られているが, 今回我々は, 約10年の経過で右中間気管支幹のカルチノイドが, 右下葉内へ多数の転移巣を形成した症例を経験した. このような転移の報告は, 探し得た文献には認められず非常にまれと思われる. 転移様式は定かではないが, 血液のbronchial-pulmonary shuntを通じての転移が最も考えられる. この症例は他に肝転移も認められ, 右中下葉切除後に肝動脈塞栓術を行ったところ, 腫瘍の壊死所見と血中セロトニン値, 尿中5HIAA値の著明な低下を来した. この方法はこの腫瘍の肝転移巣をコントロールするのに有効と思われる. 気管支カルチノイドは, slow growing, low malignant potentialの性格を持つことが広く知られている. 今回我々は, 約10年の経過を持ち, その間に末梢の下葉に多数の転移を来した気管支カルチノイドの1例を経験し, 非常にまれな進展と考えるので報告する. また肝転移も生じており, これに対し肝動脈塞栓術を行い有効と考えられたので合わせ報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 気管支カルチノイド, 肺転移, 肝転移, 肝動脈塞栓術
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