アブストラクト(33巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 甲状腺機能低下症の治療中に不安定狭心症を来し大動脈冠動脈バイパス術を行った1治験例 ―術前処置及び術中術後経過について―
Subtitle : 症例
Authors : 鈴木隆三, 外山雅章, 亀田隆明
Authors(kana) :
Organization : 亀田総合病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 10
Page : 2004-2007
Year/Month : 1985 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 労作時狭心痛を伴った甲状腺機能低下症例に対して, シネアンギオグラフィーを甲状腺治療開始前に行い, 冠動脈の狭窄部位を確認の後にAorto-coronary Bypass(A-CB)の術前準備として, 最小限のチラージンS 0.0125mg/dlから開始, 漸次増量として, チラージンS 0.05mg/dl投与後, 不安定狭心症の状態になり, 甲状腺機能の不完全なコントロールのまま冠動脈前下行枝にA-CBを行い, 術中, 極度の全身浮腫, 腹水などの合併症が出現したが, 術後後遺症も残さず社会復帰した. 近年, 本邦でも社会の欧米化に伴い虚血性心疾患が多く認められるようになり, それに伴い種々の合併症を持った症例にも対処しなければならなくなってきた. 今回, 我々は労作時狭心痛を伴った症例の術前準備として数年来, 放置されていた甲状腺機能低下症の治療を開始し, 治療中に不安定狭心症に落ち入ったため甲状腺機能の不完全なコントロールのまま大動脈冠動脈バイパス術Aorto-coronary Bypass(A-CB)を行い, 治験を得たのでここに術前後の検討を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 甲状腺機能低下症, 冠動脈狭窄症, A-Cバイパス術
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