Title : |
食道癌と呼吸器感染症 |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
佐田英信, 大熊利忠, 本郷弘昭, 上原範常, 近藤圭一郎, 田平洋一, 大塚憲雄, 坂口潮, 宮内好正 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
熊本大学医学部第1外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
33 |
Number : |
11 |
Page : |
2033-2042 |
Year/Month : |
1985 / 11 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
食道癌術後に呼吸器感染を生じた14症例について, 感染の背景因子について検討した. 感染陽性例の身体的因子としては, 術前肺機能低下例で入院時から術直前に至るまでの期間に体重がより減少傾向にあるものに高頻度に認められた. 術前の栄養状態の低下が術後の感染に対する防御能を低下せしめ, それが感染の一要因となったと推定された. 局所的には, 胸部中部食道癌で深達度a3あるいはリンパ節転移n3のstage IVの進行癌で非治癒切除に終わったものに多く, このことは担癌生体の易感染性という間接的な因子とともに, 局所的な手術操作が及ぼす呼吸器系への直接的な影響も無視し得ないと考えられた. 実際の起炎菌ではPseudomonas属が33%と最も多く, 全体ではグラム陰性菌が70%を占めた. 14例のうち6例(43%)が呼吸器感染が直接あるいは間接的に死因に大きく関与しており, 呼吸器感染は化学療法の進歩した今日でも依然重要な問題である. 本症の予防と治療のために, 術前より綿密な栄養評価に基づく栄養管理や術前術後を通じた経時的な気道系の細菌学的検討を行うことが望まれた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
食道癌, 術後肺合併症, 呼吸器感染症, 栄養評価, 免疫能 |