Authors : |
奥山和明, 佐藤博, 小野田昌一, 神津照雄, 山本義一, 唐司則之, 粟野友太, 木村正幸, 磯野可一 |
Abstract : |
食道癌の中で最も症例の多い胸部中部食道癌の病期別治療方針を検討した. 検索対象は千葉大2外で1959~1982年まで根治切除された胸部中部食道癌427例の内病期不明例を除いた耐術例381例である. 病期は大きくstage O, I, IIとstage III, IVの2つに分け術前と術後合併療法別の遠隔成績を比較検討し以下の結果を得た. 1. stage O, I, IIでは術前合併療法の有無で遠隔成績に差を認めなかったが, a因子主体でstage III, IVとなった症例においては5~10年の年度に術前合併療法群が術前合併療法無し群に比べ有意に予後良好であった. 2. 術前合併療法は照射単独に比べ多療法併用のRC, 又はRCI又はRCIHの術前合併療法群がstage III, IVにおいては5, 6, 7, 8年の年度で有意に良好な予後であった. 3. 術後合併療法はstage III, IVにおいて有効であり, 治癒切除例に対するT字型予防照射および非治癒切除例に対しての局所への根治照射が予後向上に有意義であった. |