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50歳以上でCTR 70%以上もしくはEF 0.5以下の重症弁膜症患者43例を, PADによる拍動流体外循環を行った群と, 定常流体外循環を行った群の2群に分け, 術前検査値, 体外循環及び術後の血行動態について比較検討した. 体外循環後24時間のC.I., LVSWIは拍動流群で有意に高値を示したが, カテコールアミン総使用量, 人工呼吸器使用期間に有意差は認められなかった. 実験的に1時間の大動脈遮断ののち, 遮断解除後, 拍動流体外循環を行った群と定常流体外循環を行った群の2群に分け, 術後の血行動態, 血清酵素, 心筋代謝, 心筋組織ガス分圧の測定を行い比較検討した. 体外循環後, 拍動流群ではC.O., LVSWI, 冠状静脈洞血流量は有意に増加し, 冠血管抵抗は有意に低下した. また, LDH1/LDH2は拍動群で有意に低下し, Lactate Effluxは体外循環後40分に有意に低値を示した. 心筋組織二酸化炭素分圧は再灌流後著明に上昇し, その最大値及び上昇速度は拍動流群で有意に高い値を示した. 実験結果より, 大動脈遮断解徐後の拍動流体外循環は心筋内微小循環を良好に保ち, 虚血により蓄積した水素イオン, 乳酸を早急に細胞外にwashoutすることにより, 細胞内アシドーシスを速かに改善し, 引き続く心拍再開後のCounterpulsationにより, 内膜側心筋血流量も良好に保たれ, Substrateの心筋細胞内とりこみも活発にし, 結果としてLDH1/LDH2に示されたように, 心筋細胞の破壊が少く, 血行動態上良好な影響を与えるものと思われた. |
