Abstract : |
大動脈弁上狭窄症に対する外科治療は, 従来McGoonらのpatch aortoplastyが広く行われていたが, 近年extended aortoplastyによる手術症例が増加し, 従来より一歩進んだ手術法として評価されている. 我々は本症の突然死を来した1例及びextended aortoplastyにより良好な経過をたどった3例を経験したので報告する. 大動脈弁上狭窄症では狭窄の影響は大動脈弁にまで及んでおり, そのために狭窄部のみならず大動脈弁及び冠動脈口に対する配慮のなされた手術が行われるべきである. Extended aortoplastyは狭窄部を2ヵ所で拡大することにより, 大動脈弁及び冠動脈口に対してより生理的な修復が可能であり優れた術式であると思われた. 大動脈弁上狭窄症は先天性左室流出路狭窄の中でもまれな疾患である. その外科治療は諸家により広く行われてきたが, いまだ確立されたものとは言い難い. 今回我々は本症の突然死を来した1例と, extended aortoplastyにより良好な経過をたどった3例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. |