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同種輸血量及び供血者数を減らすために, 次の方法を用いた. 1. cell saverによる, 出血の再利用, (1)術中出血, (2)術後出血, (3)心腔外希釈血液, (4)ガーゼにしみ込んだ血液, 以上(1)～(4)にヘパリン加生理食塩水+抗生剤を点滴しながらCell Saverに回収, 洗浄, 濃縮し洗浄赤血球液として自家血輸血する. 2. 体外循環回路の無血充填, 3. 体外循環回路内残存血の返血, 4. 自家保存血輸血, 5. 新鮮血を得る際, 供血者1人から500g採血する. 6. 日赤の保存血, 濃厚赤血球液, 新鮮凍結血漿を極力使用しない. 1983年4月20日から同年10月21日の期間に施行した心臓大血管手術のうち, 虚血性心疾患30例, 弁膜疾患15例, 先天性心疾患7例, 大動脈疾患2例の計54例を対象に, 出血量, 同種輸血量, 供血者数などを調べ, 輸血後肝炎発生, Cell Saver使用の安全性, 自家血輸血の意義を検討した. 同種輸血量及び供血者数の平均値は, 虚血性心疾患710g・1.4人, 弁膜疾患340g・0.7人, 先天性心疾患0g・0人, 大動脈疾患2030g・20.3人であり, 無輸血率51.9%(28/54例), 輸血後肝炎発生率は, 術後4～10ヵ月の観察期間で3.7%(2/54例)であった. 1～6の方法により, 同種輸血量, 供血者数を著しく減らすことができ, 輸血後肝炎の発生を低くする結果となった. 一方, cell saverに起因する敗血症, DICはなく, 安全と思われた. |
