アブストラクト(33巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 体外循環の血小板数, 血小板粒度分布, 血小板凝集能に及ぼす影響について
Subtitle : 原著
Authors : 千葉幸夫, 石原浩, 村岡隆, 山里有男*, 龍田憲和**
Authors(kana) :
Organization : 福井医科大学第2外科, *武田病院心臓血管外科, **大津赤十字病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 12
Page : 2219-2225
Year/Month : 1985 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 体外循環を用いた開心術17症例を対象に, 体外循環による血小板数, 血小板粒度分布の中央値, 最頻値, 平均血小板容積及び血小板凝集能の変化を測定した. 血小板数, 血小板粒度分布はBaker社製, 全血血小板計算装置Baker 810にて測定し, 血小板凝集能はクロノログ社Lumi-Aggregometer Model 400を使用し, ADP, エピネフィリン, アラキドン酸, コラーゲンを添加した時の最大凝集率として求めた. 人工肺は, 13例にTMO膜型肺を使用, 4例にBOS 10気泡型肺を使用し, ローラーポンプで送血した. 充填液はCPD加新鮮血, サヴィオゾールを主体とし, 希釈率は26±5.6%であった. 血小板数は, 体外循環始後30分では52.3±13.5%に減少, 更に60分後には48.7±11.6%に減少し, 体外循環終了後も46.1±14.6%であった. 血小板粒度分布の中央値, 最頻値, 平均血小板容積はとくに有意な変化は示さなかったが, 血小板数と血小板粒度分布の最頻値, 血小板数と平均血小板容積の間には負の相関が得られた. 血小板凝集能は, ADP 3.4μM添加時の最大凝集率は, 体外循環間始前の57.8±9.98%が, 終了後には32.5±13.7%と有意に低下した. アラキドン酸2μM添加時は36.7±4.64%から17.6±5.88%へと低下し, 同様にエピネフィリン1μg添加時は61.25±7.36%から31.0±14.6%へと低下した. これらの血小板凝集率は, 術後3日目でもまだ低下しているものも見られたが, 術後1週間後には全例, 体外循環開始前値に復した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 体外循環, 血小板粒度分布, 平均血小板容積, 血小板凝集能
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