アブストラクト(33巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 冠動脈瘻閉鎖術後, 急性期に破裂した冠動脈瘤の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 相馬康宏, 東茂樹, 鈴木暁, 祝井文治, 川田光三, 井上正
Authors(kana) :
Organization : 慶応義塾大学外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 12
Page : 2245-2248
Year/Month : 1985 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 冠動脈瘻(回旋枝-右室瘻)兼三尖弁閉鎖不全の1例に右室内瘻孔閉鎖及び三尖弁置換術を行った. 回旋枝は拡張・蛇行しその1部が突出し, 径7mmの小動脈瘤となっていた. 術後2日目にこの動脈瘤が破裂し, 緊急手術を行った. 経過は良好で術後2年の現在, 原職に復帰している. 我々は本症における動脈瘤破裂の報告が少ないことや虚血発生に対する危惧から, 小動脈瘤を放置したが, 回旋枝は著しく拡張していたのであるから, 破裂予防の見地から, 動脈瘤を冠血行から遮断する処置をとるべきであったと考えている. 本症の動脈瘤破裂の報告は非常にまれで, 我々の知る限りでは, この報告例を含めて3例を見るにすぎない. 先天性冠動脈瘻は比較的まれな疾患であるとされているが, 選択的冠動脈造影の普及に伴って, その報告例は増加しつつある. 心腔と異常交通を有する冠動脈の動脈瘤様拡張あるいは動脈瘤化はしばしば認められるところである. しかし, その心腔外への破裂例は非常に少なく, 我々の知る限りでは, 2例の報告例を見るにすぎない1)2).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠動脈瘻 回旋枝右室瘻, 冠動脈瘤, 冠動脈瘤破裂
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