アブストラクト(33巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Morgagni孔ヘルニアの3治験例 ―主としてヘルニア内容と手術経路に関する考察―
Subtitle : 症例
Authors : 土肥英樹, 中川芳樹, 森田実, 中岡和哉, 桑原修
Authors(kana) :
Organization : 国立療養所刀根山病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 33
Number : 12
Page : 2271-2275
Year/Month : 1985 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 大網のみをヘルニア内容とするMorgagni孔ヘルニアの3治験例を報告するとともに, 本邦報告例の集計を試み, 主としてヘルニア内容と手術経路について考察した. 患者は69歳女性, 60歳女性, 48歳男性の3症例で術前確定診断はつけられなかったが, 全例開胸経路にて診断しヘルニア門を閉鎖した. Morgagni孔ヘルニアの本邦報告例は, 自験例を加え182例あった. 大網のみを内容とするものは25%と少なく, 50~60歳代に70%が集中し, 症状は軽かった. その術前確定診断率は22%と低く, 多くは縦隔腫瘍特に脂肪腫と誤診されていた. しかし集計上の脂肪腫の頻度は遙かに低く, まずMorgagni孔ヘルニアを考えるべきである. 手術経路は確定診断が困難でもあり, 開胸経路が妥当である. 例え診断がついていたとしても何ら問題はないと考えられた. Morgagni孔ヘルニアは, 横隔膜ヘルニアの中でもまれな疾患である. また縦隔腫瘍と鑑別が困難なことも多い. 我々は, 最近前縦隔脂肪腫の診断で手術を行い大網のみを内容とするMorgagni孔ヘルニアを3症例経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Morgagni孔ヘルニア, 大網, ヘルニア内容, 経胸的手術
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