アブストラクト(34巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 高度の高ビリルビン血症例(総ビリルビン3.0mg/dl以上)での僧帽弁置換術-手術適応の限界について-
Subtitle :
Authors : 山本信一郎, 麻田達郎, 中尾守次, 鶴田宏明, 小川恭一
Authors(kana) :
Organization : 兵庫県立姫路循環器病センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 1
Page : 103-107
Year/Month : 1986 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 内科的にコントロールされた状態でも総ビリルビン3.0mg/dl以上の高ビリルビン血症を伴っていた3症例に対し僧帽弁置換術と三尖弁輪形成術を施行し2例を救命, 術後半年の間に心機能のみならず肝機能の著明な改善を得た. うち1例は術後4日目に総ビリルビン16mg/dlまで上昇し血漿交換を要したが以降軽快した. 他の1例は術後血行動態は安定していたものの術後6日目心タンポナーデにて再開胸を要し, 更に開心術後15日目突然脳出血を併発して失い血液凝固系コントロールの困難さと生体弁使用の必要性が示唆された. しかし, 剖検で得られた肝臓には肝小葉の改築などの肝硬変像はなく組織学的にreversibleと思われた. 以上よりこれら高度の高ビリルビン血症を伴った僧帽弁疾患にもCold Blood Cardioplegiaを用いた十分な心筋保護によるLOSの防止や早期の血漿交換など術後管理に細心の注意をはらうことにより開心術の手術適応はあるものと考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 高ビリルビン血症, 僧帽弁置換術, 三尖弁閉鎖不全症, 血漿交換, cardiac cirrhosis
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