アブストラクト(34巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 小児期において先天性大動脈弁狭窄症兼閉鎖不全症に対し, 弁輪拡大と大動脈弁置換を行った1例
Subtitle :
Authors : 大竹重彰, 広瀬一, 松田暉, 中埜粛, 岸本英文, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 1
Page : 108-112
Year/Month : 1986 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 先天性大動脈弁狭窄症兼閉鎖不全症を有する2歳の女児に対し, 初回手術として大動脈弁交連切開術を施行した. しかし術後11ヵ月, 遺残狭窄と大動脈弁閉鎖不全の増悪, 更に僧帽弁閉鎖不全の発生を来し, 強度の心不全から患児はNYHA IV度の状態となった. そこで3歳時に弁輪拡大術を併用したBjork-Shiley弁, 径17mmによる大動脈弁置換術を施行し, これを救命した. 従来弁輪拡大法には今野, 井上らの提唱している心室中隔に切り込む方法があり, より大きなサイズの人工弁の挿入に適しているとされている. しかしその成績は侵襲の大きさからか, 満足すべきものではない. 今回我々は佐治, Manouguianらの方法に準じた無冠動脈尖において大動脈弁輪を切開する方法を用い, より少ない侵襲で満足のいく結果を得た. 本法は挿入可能な人工弁サイズに限界はあるものの, 小児においても有用な弁輪拡大法と考えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性大動脈弁狭窄症, 大動脈弁交連切開術, 大動脈弁置換術, 弁輪拡大術
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