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気管・気管支形成術を施行した肺癌50例の成績を検討し, その手術手技上の問題点, 及び手術適応について考察した. 組織型は, 扁平上皮癌：37, 腺癌：5, 腺表皮癌：2, 小細胞癌：1, その他：5, 病期は, 1期：14, II期：7, III期：26, IV期：3, 手術根治度は, 絶対的治癒：27, 相対的治癒：12, 相対的非治癒：4, 絶対的非治癒：7であった. 全症例の5生率は, 45.0%であり, 手術根治度別では, 絶対的治癒：72.2%（5生率）. 相対的治癒：17.2%（3生率）であったが, 非治癒切除例の予後は不良であった. 絶対的及び相対的治癒切除例のみについて, 気管・気管支形成術, 肺葉切除術, 及び肺剔除術の5生率を比較すると, 各々, 57.8%, 46.2%, 29.6%であり, 気管・気管支形成例の予後が最も良好であった. 現在, 5生例：4, 3～5生例：5であるが, 1年以上経過し, 非再発生存中の19例について, その背景因子をみると, 扁平上皮癌：15, カルチノイド：2, 粘表皮癌；1, 腺様嚢胞癌：1であり, 腺癌はなかった. また, 1期：8, II期：4, III期：7であり, N0：8, N1：8, N2：3, 絶対的治癒切除：16, 相対的治癒切除：3であった. 以上より：肺癌に対する気管・気管支形成術は, 絶対的, 又は相対的治癒切除が可能な症例を手術対象とすべきである. N2例については, 扁平上皮癌であり, 且つ相対的治癒切除の行われた場合に長期生存の可能性がある. 管状切除, 吸収糸による全層縫合, 有茎胸膜被覆などにより, 術後合併症を少なくできた. また, 術後遠隔転移死の予防のため全身補助療法は不可欠である. |
