アブストラクト(34巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ファロー四微症術後遠隔期における心機能及び肺動脈弁閉鎖不全の評価
Subtitle :
Authors : 田林晄一, 庄司好己, 内田直樹, 田所正路, 佐藤成和, 鈴木康之, 石沢栄次, 堀内藤吾
Authors(kana) :
Organization : 東北大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 2
Page : 158-163
Year/Month : 1986 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : ファロー四微症術後遠隔期の左室機能, 右室機能, 肺動脈弁閉鎖不全の右室機能に及ぼす影響を右室収縮期圧/左室収縮期圧が0.5以下, 遺残短絡・三尖弁閉鎖不全の伴わない症例31例を対象として検討した. 手術時年齢は2~37歳術後経過年数は1~15年であった. 流出路再建法により分類すると心膜弁付きパッチ例12例, 弁なしパッチ例7例, 漏斗部心筋切除及び肺動脈弁切開例12例であった. 血行動態, 心機能の評価は心臓カテーテル検査, ergometerによる運動負荷試験, 色素希釈法による肺動脈弁逆流率の測定, 左室・右室造影の心容積分析により行った. 以下の結論を得ることができた. 1)左室駆出係数は1例を除いて全例が正常値を示したが, 手術時年齢が10歳以上の症例で運動負荷に対する反応性の低下がみられた. 2)運動負荷に対する右室の反応性と右室駆出係数の低下がみられ, 右室機能の低下が示唆された. 右室駆出係数と流出路パッチの有無, 肺動脈弁閉鎖不全との間には相関性はみられず, 流出路パッチの使用, また高度の末梢狭窄, 肺高血圧症を伴わないファロー四微症術後発生する肺動脈弁閉鎖不全は右室機能低下の大きな要因にならないと考えられた. 3)肺動脈弁逆流率は5~40%であり, 高度の末梢狭窄, 肺高血圧症を伴わないファロー四微症では術後, 血行動態的, 形態学的に高度の肺動脈弁閉鎖不全が発生してこないと考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : ファロー四微症, 左室機能, 右室機能, 肺動脈弁閉鎖不全
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