アブストラクト(34巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 睾丸奇形癌の肺縦隔転移巣が成熟型奇形腫に分化した1症例
Subtitle :
Authors : 大野喜代志, 中原数也, 津森孝生, 城戸哲夫, 藤本祐三郎, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 2
Page : 226-229
Year/Month : 1986 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 睾丸奇形癌の肺縦隔転移巣が成熟型奇形腫に変化した症例を報告する. 患者は34歳の男性で, 昭和53年6月に左側睾丸奇形癌に対し高位除睾術をうけた. 昭和59年2月, 胸部レントゲン撮影で, 右肺下葉と傍気管リンパ節に異常陰影を指摘された. 右肺腫瘤に対して経気管支肺生検を施行し, 睾丸奇形癌の肺転移と診断された. シスプラチン, ビンプラスチン及びブレオマイシンによる化学療法と放射線療法を施行したが, 腫瘤の縮少はみられなかった. 昭和59年6月, 腫瘤摘出術を施行した. 摘出標本の組織検査では成熟型奇形腫であった. 術後8ヵ月現在, 再発を認めていない. Stage II及びIIIの睾丸胚細胞性腫瘍において, 化学療法や放射線療法後に転移巣が残存する場合, その2/3は成熟型奇形腫あるいは瘢痕組織である. 従って, これらの残存腫瘤を積極的に切除することにより, その組織型を明らかにし, その後の化学療法の必要性を決定すべきである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 睾丸胚細胞性腫瘍, 肺縦隔転移, 良性転化
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