アブストラクト(34巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 生後5ヵ月の総動脈幹症に対する根治手術の経験
Subtitle :
Authors : 川上恭司, 望月高明, 末田泰二郎, 伊村郁夫, 土谷太郎, 谷本猛*
Authors(kana) :
Organization : あかね会土谷病院心臓血管外科, *あかね会土谷病院小児循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 2
Page : 255-260
Year/Month : 1986 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 総動脈幹症はそのほとんどが乳児期早期に死亡する疾患である. また, この時期を生存し得た症例においては, 著明な肺高血圧症の残存のため最近では生後6ヵ月以内の根治術の必要性が強調されている. しかし本邦における乳児期早期根治術成功例はいまだ1例しかなく, 満足すべきものではない. 最近われわれは生後5ヵ月乳児の本症(Collett Edwards I型)に対し根治術を行い成功したので報告した. 症例は生後5ヵ月女児で, 生後1ヵ月目に初めて心雑音を指摘され, その後頻回に心不全を繰り返した. 生後5ヵ月の時にRastelli手術による根治手術を施行した. 手術は大動脈壁をくりぬき, その欠損孔をパッチにて閉鎖後, Hancock弁付きCouduit(φ14mm)を右室-肺動脈間に縫着した. 術後, 肺動脈圧は27mmHg, 肺体動脈圧比は0.36まで下降し良好な結果を得た. 術後6ヵ月目の現在, 元気な生活を送っている. 本症に対しては乳児期早期の積極的な根治術が必要と考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 総動脈幹症, Rastelli手術, 乳児期早期開心根治術
このページの一番上へ