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1980年12月より1984年末までの4年間に施行したconcave convex pivoting discのOmniscience弁による大動脈弁置換術100例の臨床成績並びに血行動態について検討したので報告する. 対象の原疾患はAS12例, AR45例, ASR33例及び置換弁機能不全10例で, 成因はリウマチ性65例, 感染性心内膜炎18例, マルファン症候群9例及びその他8例であり, 全例の66%に合併手術を施行した. 手術成績は早期死は4例（4%）であり, 累積追跡期間145患者・年の遠隔追跡では8例（5.5%/患者・年）の遠隔死を認め, 5年生存率は85.5±4.0%であった. 術後2ヵ月前後の血行動態的検索では心機能の改善を示し, 人工弁機能は平均弁圧較差8.8±3.3mmHg, 有効弁口面積は2.2±0.5cm2であった. なお, cinefluoroscopyによるoccluderの最大開放角の測定では60度以上の開放角を示したのは82.2%であった. 弁置換術後の合併症は血栓塞栓症. 6例（4.2%/患者・年）, 出血2例（1.4%/患者・年）, 弁周囲逆流1例（0.7%/患者・年）, 感染性心内膜炎5例（3.4%/患者・年）であったが, 弁機構破綻例は認めなかった. 大動脈弁位におけるOmniscience弁は他のpivoting disc弁とほぼ同程度の成績を示したが, 人工弁の耐久性並びに遠隔期における血栓塞栓症に関してはさらに今後の追跡結果を待たねばならない. |
