アブストラクト(34巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 遠隔期再弁置換症例の臨床的検討
Subtitle :
Authors : 土屋幸治, 天野茂夫, 寺田正次, 飯田良直
Authors(kana) :
Organization : 山梨県立中央病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 4
Page : 435-439
Year/Month : 1986 / 4
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1968年7月から1984年12月までに, 271例に弁置換術を施行したが, このうち12例(4.6%)が再弁置換症例であった. 僧帽弁再置換が7例, 大動脈弁再置換が3例(うち2例はBentall手術), 僧帽弁・大動脈弁再置換が2例であった. 再弁置換となった原因別にみると, 人工弁感染症が3例, 人工弁周囲逆流4例, 人工弁機能不全4例, 頻回の脳塞栓症1例であった. 緊急手術を5例, 準緊急手術を5例, 待機手術を2例に行った. 3例の早期死亡(25%)がみられたが, いずれも僧帽弁再置換症例で, 各々人工弁狭窄, 人工弁離脱及び人工弁機能不全のため術前ショック状態で緊急手術を行った症例であった. 準緊急ないし待機的に手術を行った7症例では原因にかかわらず早期死亡例はなかった. 再弁置換後に再々弁置換を必要とした症例はなく, 遠隔期の予後は1例の脳塞栓症の再発を除くと良好であった. 以上から何らかの原因で再弁置換を必要とする症例では, 高度の心不全が出現する前の早期に手術に踏みきることが救命への一歩と考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 再弁置換術, 人工弁感染症, 人工弁周囲逆流, 人工弁機能不全, 全身塞栓症
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