アブストラクト(34巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ファロー四徴症根治手術の長期遠隔成績に関する研究-病型別, 手術法門にみた術後長期遠隔期の血行動態-
Subtitle :
Authors : 友國隆, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 6
Page : 783-797
Year/Month : 1986 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : ファロー四微症根治術後患者34例(手術時年齢平均12±1.2歳)に対し術後平均65±5.6ヵ月目に心カテーテル〔安静(R)時, 運動負荷(Ex)時〕, 及び心血管造影検査を行い長期遠隔成績を検討した. データは病型別(川島分類I型10例, II型9例, III型5例), 及び手術法別〔流出路パッチ非使用(P-)群14例, 流出路パッチ使用(P+)群10例, 弁つき同種大動脈を用いた右室流出路再建(H)群10例〕に検討し, 次の結果を得た. 心係数は平均値ではどの病型, 群も正常範囲で, Exにより有意(すべてp<0.05以下)に増大し, 全例がNYHA I型であることを裏書きしていた. 肺動肺狭窄(PS)除去ではH群を除き満足できる結果であった. すなわちH群は右室対左室収縮期圧比がR時0.50±0.50, Ex時0.71±0.06と高値を示し, また右室肺動脈間収縮期圧差も手術時平均9.1±3.9mmHgからR時33.9±6.9mmHgと有意(p<0.01)に増大しPS進行が示唆された. 肺動脈閉鎖不全(PI)は肺動脈造影施行の71%に認め, 2/4以上の逆流は43%であった. 病型別ではPI発生頻度はI, II, III型で63, 100, 100%とI型は他より有意(いずれもp<0.05)に低く, 逆流程度も2/4以上はI, II, III型で25, 83, 100%と軽い傾向にあった. 手術法国ではPI発生はP-, P+, H群で85, 80, 50%とH群は他より低い傾向にあり, 特にP-群より有意(p<0.05)に低く, 逆流程度も2/4以上はP-, P+, H群で53, 80, 10%と軽い傾向にあった. 右室拡張末期圧は平均値ではどの病型, 群でも高値を示し, Exによって増大傾向があり明らかに異常反応を示した. その原因としてH群ではPSが, P+ではPIが考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : ファロー四徴症根治術, 術後長期遠隔成績, 血行動態検査, 病型別成績, 手術法別成績
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