アブストラクト(34巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺動脈原発が考えられるMalignant Fibrous Histiocytomaの1例
Subtitle :
Authors : 後藤幸一, 関口一雄, 谷脇聡
Authors(kana) :
Organization : 聖隷三方原病院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 6
Page : 903-907
Year/Month : 1986 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は61歳女性で, 労作時の息切れを主訴として来院. 胸部X線上, 右下肺野に肺門より連なる数個の結節陰影を認めた. 肺動脈造影にて右肺動脈はA4とA6の一部を除いて完全に閉塞していた. 開胸の結果, 右肺動脈下葉枝に径3cmの腫瘍があり, 下葉内にも数個の小腫瘤があった. 腫瘍は動脈壁に沿って中枢側へ浸潤しこのため, 右肺全摘術を行った. 組織所見上, 多核巨細胞を混じえた組織球性細胞と紡錘型細胞からなり, storiform patternも明瞭なMalignant fibrous histiocytoma(MFH)と診断された. 肺動脈からまれに肉腫が発生するが, これまでMFHと診断された報告はない. また肺内に原発したMFHは文献上13例をみるが, その中に, 明らかに肺動脈原発の症例はない. 本症例は, 術後5ヵ月で右大腿骨, 右副腎に転移を生じ, 術後9ヵ月で呼吸不全にて死亡した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動脈, Malignant fibrous histiocytoma, 肺肉腫
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