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Atrioventricular discordance（心房一心室錯位, A-V discordance）は, 心室中隔欠損（VSD）, 肺動脈狭窄（PS）, 又は閉鎖（PA atresia）, 房室弁逆流, 又は閉鎖など, 多彩な心疾患を合併し, またsystemic ventricleが解剖学的右室構造を有している, 極めて特異な先天性心疾患である. 本症の外科治療上の問題点を, 自験例14例（年齢10ヵ月より25歳男性10例, 女性4例）を中心に, 遠隔成績を含め検討した. 14例中手術死亡は1例（modified Fontan手術）であったが, 遠隔死亡が4例あり, 予後不良の心疾患と思われた. 本症の外科治療上の問題点は, 1）VSD閉鎖に伴う完全房室ブロック発生の予防, 2）遠隔期左側房室弁逆流発生の予防, 3）有効なPS, 又はPA atersiaの解除方法の3点にあると考えられた. VSD閉鎖に伴う完全房室ブロック発生, 及び遠隔期左側房室弁逆流発生の予防からみると, 右房切開によるde Leval法が優れていると考えられた. severe PS, 又はPA atresia解除法としては伝導路, 及び乳頭筋損傷をさけたanatomical LV-PA conduit repairを選択したいと考えている. また, かかる例には, modified Fontan手術も考慮すべき方法と思われる. |
