アブストラクト(34巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 漏斗胸胸郭の形態学的分析と術後評価
Subtitle :
Authors : 門田康正, 谷木利勝, 宇山正, 中原数也*, 藤本祐三郎*
Authors(kana) :
Organization : 徳島大学医学部第2外科, *大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 8
Page : 1121-1125
Year/Month : 1986 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 漏斗胸患者の術前, 術後のCTフィルムの計測により漏斗胸胸郭の特徴を検討し, その特徴と術後の患者による評価との関連性を検討した. CTフィルムから, 椎体胸骨間距離a, 左右それぞれの胸郭前後径b, c(b≧c), 胸郭横径d, 胸骨ねじれ角αを求めた. a/b, c/b, b/dを胸郭の陥凹度, 対称性, 扁平性の指標とした. a/bは正常小児で0.60±0.041, 漏斗胸小児例で0.40±0.088であった. c/bは正常人で0.99±0.015で, 漏斗胸患者では0.96±0.29で半数が正常域を逸脱していた. b/dは正常人で0.65±0.053で, 漏斗胸では0.59±0.055であった. 胸骨のねじれは漏斗胸の43%に認められた. 以上より, 漏斗胸患者胸郭は前胸部陥凹, 扁平胸, 左右非対称性胸郭を伴った複雑な胸郭形態と言える. 患者の術後評価と胸郭扁平性とは関連がなかった. 術後CTフィルムによる計測値と患者による評価との関連性をみた. 「大変良い」と評価したものはc/b≧0.96&a/b≧0.52群では13/15例(87%), c/b≧0.96&a/b<0.52群では5/7例(71%), c/b<0.96&a/b≧0.52群では5/10例(50%), c/b<0.96&a/b<0.52群では0/5例(0%)であった. 胸郭が左右非対称な症例の中には胸骨のねじれを完全には矯正できなかった症例があった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 漏斗胸, 扁平胸, 非対称性胸郭, 術後評価, CT計測
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