アブストラクト(34巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 筋性部心室中隔欠損症(Kirklin IV型)-到達法・閉鎖法に関する考察-
Subtitle :
Authors : 藤原慶一, 横田祥夫, 節家直己, 岡本文雄, 清田芳春, 菅原英次, 槇野征一郎*, 吉川栄治*, 安藤史隆**
Authors(kana) :
Organization : 兵庫県立尼崎病院心臓センター外科部, *兵庫県立尼崎病院心臓センター小児部, **静岡県立総合病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 8
Page : 1143-1151
Year/Month : 1986 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 筋性部心室中隔欠損症(m-VSD)は, 発生頻度が少なく, 術前診断も難しく, 開心術におけるアプローチ, 閉鎖法に関して多くの問題が残っている. 1977年8月から1985年4月まで開心術を施行した9例(生後2ヵ月~7歳11ヵ月, 平均2歳8ヵ月, 男4例・女5例)を対象とした. Soto分類によるm-VSDの位置は, trabecular m-VSD 7例, inlet m-VSD 1例, inlet+trabecular m-VSD 1例であり, 7例にperimembranous VSDの合併を認めた. 他の心奇形としてASD(II)2例, TGA 2例, CoA+PDA 2例, IAA, TOF各1例であった. 手術はinlet, 及びinlet+trabecular m-VSD各1例に対しては右房切開経三尖弁的に閉鎖した. 9例中4例(ASD(II)2例, TGA, TOF各1例)を救命した. その内, 1例で, 術後m-VSDの遺残を認めたが11ヵ月後に自然閉鎖した. 以上から, m-VSDのアプローチ, 閉鎖法について次の結論を得た. inlet m-VSDは, 右房切開, 経三尖弁的に閉鎖可能である. trabecular m-VSDは, 多孔性であり, 左室切開からのアプローチが理想であるがTOFや複雑心奇形などで左室容積の小さい症例では右室切開のアプローチで右室自由壁を利用してm-VSD全体をpatchで覆うように閉鎖するか, m-VSDにネラトンカテーテルを通して右房側へ牽引すれば経三尖弁的にも閉鎖可能である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 筋性部心室中隔欠損症, 完全大血管転位症, ファロー四徴症, 大動脈縮窄症, 乳幼児期開心術
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