アブストラクト(34巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 全薬剤耐性肺結核症の全摘後気管支瘻・膿胸に対する大網及び筋肉弁充填による1治験例
Subtitle :
Authors : 藤尾彰, 松井輝夫, 朝倉庄志, 辰巳明利, 北野司久
Authors(kana) :
Organization : 天理よろづ相談所病院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 8
Page : 1174-1177
Year/Month : 1986 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 39歳女性. 5年前に施行された左上葉切除術後に生じた気管支瘻に対し, 全薬剤耐性肺結核症のため長らく外科的処置に踏み切れなかった症例に左肺全摘術を施行したところ, 術後気管支瘻・膿胸とともに創の完全耳環を来した. これに対し一時的に膿胸腔郭清に加え, 有茎大網及び筋肉弁を充織した. 術後経過は良好で, 気管支瘻及び膿胸腔の閉鎖を確認した後, 外来にて経過観察中である. 肺全摘後の気管支瘻・膿胸は近年その発生が少なくなっているが, いったんこの術後合併症が発生すると, 現在でもその治療が困難なことに変わりはない. 最近, われわれは全薬剤耐性肺結核症に対する左肺全摘術後に発生した気管支瘻・膿胸に対し, 大網及び筋肉弁を充填して膿胸腔を閉鎖せしめ, 良好な経過をたどっている症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 全薬剤耐性肺結核, 全摘後気管支瘻・膿胸, 大網充填, 筋肉弁充填
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