アブストラクト(34巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺高血圧を伴う乳幼児期心室中隔欠損症根治手術後の遠隔期左心機能
Subtitle :
Authors : 坂口治, 細田泰之
Authors(kana) :
Organization : 順天堂大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 9
Page : 1602-1611
Year/Month : 1986 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 2歳以下に根治手術を行ったhigh flow, low resistanceのVSD+PH30例を対象とし, 術後1年と術後3年に各々15例ずつ左室造影を行い左室機能と形態, 並びに心室中隔運動について正常対象群と比較検討した. 術後1年群をI群, I群に対するcontrol群をI-N群, 術後3年群をII群, II群に対するcontro1群をII-N群とした. 1. LVEDVI, LVESVI, LVSVI, LVMIではI群, II群はI-N群, II-N群に比べ有意に高値であったが, LVEDVI, LVMIにおいてはII群はI群に比べて有意に低値を示した. 2. LVEFは各群間に有意差はなかった. 3. Eccentricity(Ec)はI群, II群はI-N群, II-N群と比べ有意に低値であり, I群, II群間に有意差を認めなかった. 4. 心室中隔上部の収縮率(U)はI群, II群はI-N群, II-N群と比較して有意に低下していたが, I群, II群間に有意差を認めなかった. また, hinge pointはI群, II群ともにI-N群, II-N群と比べて有意に下方に位置していた. 以上の経時的検討より, 左室容量, 及び左室心筋重量は術後3年でも術後1年と比べて改善はみられるものの正常化しておらず, 左室の球形化も残っていた. また, パッチ縫着をした心室中隔上部の動きも悪く, 根治手術後の慎重なfollow upの必要性が示唆された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心窒中隔欠損症, 左室容量, 左室心筋重量, 左室形態, 心室中隔運動
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