Abstract : |
2歳以下に根治手術を行ったhigh flow, low resistanceのVSD+PH30例を対象とし, 術後1年と術後3年に各々15例ずつ左室造影を行い左室機能と形態, 並びに心室中隔運動について正常対象群と比較検討した. 術後1年群をI群, I群に対するcontrol群をI-N群, 術後3年群をII群, II群に対するcontro1群をII-N群とした. 1. LVEDVI, LVESVI, LVSVI, LVMIではI群, II群はI-N群, II-N群に比べ有意に高値であったが, LVEDVI, LVMIにおいてはII群はI群に比べて有意に低値を示した. 2. LVEFは各群間に有意差はなかった. 3. Eccentricity(Ec)はI群, II群はI-N群, II-N群と比べ有意に低値であり, I群, II群間に有意差を認めなかった. 4. 心室中隔上部の収縮率(U)はI群, II群はI-N群, II-N群と比較して有意に低下していたが, I群, II群間に有意差を認めなかった. また, hinge pointはI群, II群ともにI-N群, II-N群と比べて有意に下方に位置していた. 以上の経時的検討より, 左室容量, 及び左室心筋重量は術後3年でも術後1年と比べて改善はみられるものの正常化しておらず, 左室の球形化も残っていた. また, パッチ縫着をした心室中隔上部の動きも悪く, 根治手術後の慎重なfollow upの必要性が示唆された. |