アブストラクト(34巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 多発性動脈硬化性血管病変に対するA-Cバイパス術の遠隔成績
Subtitle :
Authors : 数井暉久, 小松作蔵, 佐々木孝, 山田修, 大野猛三*, 夷岡廸彦*, 加賀谷闊**, 鎌田幸一***
Authors(kana) :
Organization : 札幌医科大学胸部外科, *道立北見病院, **国立療養所帯広病院, ***道立釧路病院
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 9
Page : 1617-1621
Year/Month : 1986 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 多発性動脈硬化性血管病変に対するA-Cバイパス術の遠隔成績について検討した. 昭和60年2月末までにA-Cバイパス術に加えて合併せる血管病変に対して一期的あるいは二期的に血行再建術を施行した40例を対象とした. 対象の年齢は46~73歳, 平均59.8歳, 性別は男性35例, 女性5例であり, 冠動脈病変は一枝病変7例, 二枝病変13例, 三枝病変20例, うち左冠動脈主幹部病変3例であった. また血管病変は腹部大動脈・腸骨動脈閉塞症17例, 腹部大動脈瘤14例, 大腿・膝窩動脈閉塞症11例, 胸部大動脈瘤6例, 及び腎血管性高血圧1例の計49病変であった. 外科治療はI群:冠動脈病変及び血管病変に対して一期的に血行再建術を施行した15例, II群:最初にA-Cバイパス術を行い, 二期的に血管病変に対して血行再建術を施行した22例, III群:最初に血管病変に対して血行再建術を行い, 二期的にA-Cバイパス術を行った3例で, 成績はI群2例, III群1例の早期死であり, 全体で40例中3例(7.5%), 89回の冠動脈, 及び血管手術で3例(3.4%)であった. また5年生存率は82.4%であり, A-Cバイパス術単独群と有意差はなかった. 多発性動脈硬化性血管病変に対してA-Cバイパス術を施行することにより早期成績のみならず遠隔成績にも良好な影響を及ぼすものと思われる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 多発性心血管病変, 虚血性心疾患, A-Cバイパス術, 心筋梗塞, 遠隔成績
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