Authors : |
榊原哲夫, 広瀬一, 中埜粛, 松田暉, 白倉良太, 平中俊行, 松村龍一, 桜井温, 今川弘, 川島康生 |
Abstract : |
A-Cバイパス術後の36例の残存狭窄病変の程度をLeamanの方法に従って, 半定量的に点数評価し, これと術後運動負荷時の左室機能との関係を検討した. 残存狭窄病変の程度を表す点数が0の19例をG-1, 0をこえ5未満の6例をG2, 5以上10未満の5例をG-3, 10以上の6例をG-4とし, 正常対照例13例をG-Cとした. 運動負荷時の心拍数は, 4群ともG-Cと差を認めなかった. 運動負荷時の大動脈収縮期圧は4群ともG-Cと差を認めなかった. 運動負荷時の左室拡張末期圧は, G-1, G-2において, G-Cと差を認めなかったが, G-3, G-4はG-Cに比べ有意に高値を示した. 運動負荷時の左室一分間仕事量は, G-1, G-2, G-3において, G-Cと差を認めなかったが, G4において有意に低値を示した. 以上の検討の結果, 残存狭窄病変のLeamanのscoreが5未満の症例においては, 運動負荷時の左室機能の低下は認めないこと, 及び10以上の症例においては, 残存狭窄病変に原因する左室機能不全が著明であることが明らかとなった. |