Title : |
膜型肺体外循環における血小板消耗とその防止について |
Subtitle : |
|
Authors : |
川田忠典, 舟木成樹, 保尊正幸, 正木久朗, 安藤直明, 長田博昭, 岡田忠彦, 稗方富蔵, 野口輝彦 |
Authors(kana) : |
|
Organization : |
聖マリアンナ医科大学第3外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
34 |
Number : |
9 |
Page : |
1664-1668 |
Year/Month : |
1986 / 9 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
膜型肺を用いた臨床的体外循環中の血小板消耗の程度, 及び抗血小板剤であるticlopidine前投与による血小板保護効果を検討するために血小板数, 血小板凝集能, 血小板放出特異蛋白(βTG及びPF-4)血漿中濃度の変動について分析した. 体外循環前, 低濃度ADPに対し亢進した凝集能を示した症例群では, 体外循環中凝集能の低下とともにβTG, PF-4の放出が促進され, 有意な血小板数低下を認めた. 一方, 正常ないしそれ以下の凝集能を呈した群では血小板数の有意な低下はみられず, βTG, PF-4の上昇は緩徐で凝集能亢進群に比して低値であった. Ticlopidine前投与による各指標の変動は凝集能非亢進群と有意差なく, 血小板保護効果は乏しいと判断された. しかし, 血小板機能亢進例に対しては体外循環前凝集能抑制により, 始めてのその有効性が発揮されると考えられた. 膜型肺を用いた体外循環中における血小板消耗は術前の患者固有の血小板機能に一部依存すると考えられ, 血小板機能亢進例に対してはticlopidineの少量前投与が体外循環中の血小板保護に有効であると結論された. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
体外循環, 膜型肺, 血小板凝集能, 血小板放出特異蛋白, Ticlopidine |