アブストラクト(34巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 共通心房, 共通房室弁を伴う単心室症に対するFontan型手術の検討
Subtitle :
Authors : 岸本英文, 広瀬一, 松田暉, 中埜粛, 白倉良太, 三浦拓也, 佐野哲也*, 小川實*, 有沢淳**, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科, *大阪大学医学部小児科, **大阪大学医学部放射線科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 10
Page : 1761-1767
Year/Month : 1986 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1985年5月より12月の間に, 共通心房, 共通房室弁を伴う単心室症4例に対し, 体静脈, 肺静脈の血流転換を伴う心房2分割, 心房肺動脈直接吻合(Fontan型手術)による血行再建を行った. 心房構造はすべてright atrial isomerismであり, 心室構造は3例が右室型, 1例が左室型であった. 3例は肺動脈狭窄を, 1例は肺動脈閉鎖を伴っており, 全例に体動脈-肺動脈短絡手術を行っていた. 軽度の共通房室弁の閉鎖不全を1例に認めた. 下大静脈と対側に還流する上大静脈は, 1例では前回のBlalock-Taussig手術時に結紮し, 2例では今回の手術時に肺動脈を分離せずこれに端側吻合した. 手術時の年齢は7~15歳であった. 手術死亡は上心臓型総肺静脈還流異常を合併した1例のみであったが, 病院死亡が2例あり, 長期生存は1例であった. 術前の心室収縮末期容積指数, 心室駆出率, 心筋重量/拡張末期容積比などに示される心室機能が良好であり, 肺血管抵抗指数がより低値であった2例においては, 術後安定した血行動態を示した. 従って, 共通心房, 共通房室弁を伴う単心室症に対しても, 積極的な外科治療が可能であると考えられる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 共通心房, 共通房室弁, 単心室, 心房2分割, Fontan型手術
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