アブストラクト(34巻10号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 経大動脈的に摘出した多発性左室粘液腫の1治験例 |
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Authors : | 相馬康宏, 上田敏彦, 広谷隆, 南雲正士, 川田光三, 井上正 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 慶應義塾大学医学部外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 34 |
Number : | 10 |
Page : | 1834-1838 |
Year/Month : | 1986 / 10 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 左室粘液腫は非常にまれな疾患で, 現在までに25例の報告を見るにすぎない. われわれは多発性の左室粘液腫を経大動脈的に摘出し, 若干の知見を得たので報告する. 症例は23歳, 男性で, 入院後短時間の失神発作に見舞れた以外, 本州に起因する症状はなかった. 2Dエコーで2個の有茎性の粘液腫を左室内に認め, 人工心肺下に手術を行った. 大動脈弁口を展開し, 左室内を見ると粘液腫本体が目の前に立ち塞がり, 茎部への到達は困難であった. そこで, 吸引器により粘液腫の大部分を吸引除去し, 残った線維性の茎及び被膜を, 左室心筋を一部とともに切除した. 吸引を用いることにより, 視野に制約のある大動脈弁口からでも容易に粘液腫を除去することができた. 大動脈弁口からでもかなり広範囲の左室内面を視野に治められるが, 心基部に近い左室後壁及び後尖は見にくい. この点は左房切開の併用で改善し得ると考えられる. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 左室粘液腫, 経大動脈摘出術 |