アブストラクト(34巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 気管再建術におけるsuprahyoid releaseについて
Subtitle :
Authors : 坪田紀明, 八田健
Authors(kana) :
Organization : 兵庫県立成人病センター胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 34
Number : 10
Page : 1844-1846
Year/Month : 1986 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : suprahyoid releaseの効果及び問題点を検討した. 症例は, 1)42歳, 女性, 腺様嚢胞癌, 8気管輪切除, 2)72歳, 男性, 扁平上皮癌, 4気管輪切除, 3)86歳, 女性, 甲状腺癌気管浸潤, 4気管輪切除の3例で, 嚥下障害は全例に発生した. すなわち, 飲水は術後1週間で可能となったが術前と同じように経口摂取を行うには3週間要し, この間には高カロリー輸液が必要であった. なお, 唾液の気道内流入は症例1), 2)にはなく, 3)でわずかにみられた. しかしこれは両側反回神経麻痺によるものと考えられた. 本法により, 症例1)では舌骨の高さは1椎体下がり, 有効な授動となった. 症例2)の実施はあるいは不要であったと考えられた. 症例3)では同じ長さの切除であったが, 高齢と亀背のためこのreleaseが必要となった. 本法はthyrohyoid releaseと同程度の十分半s releaseが得られる上に, 手術手技が容易で, 術後の嚥下障害の程度が軽いので, 吻合部の緊張に不安があれば, 積極的に応用できる方法である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 気管再建術, suprahyoid release, release
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