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山田修, 数井暉久, 中西克彦, 柳谷晶仁, 馬場雅人, 松崎智哉, 山本直樹, 菊池洋一, 佐々木孝, 小松作蔵 |
| Abstract ： |
教室で1978年より1985年2月末日までに開心術を行った後天性心疾患535例のうち, 術後LOS及び重症不整脈のためにIABPを使用した39症例(7.3%)を対象としIABPの限界と問題点について検討した. 内訳は弁膜疾患28例, 冠動脈疾患8例, 両疾患の合併3例であり, このうちIABP離脱例は22例(56.4%), IABP非離脱死亡例は17例(43.6%)であった. 両者の術前CI, 大動脈遮断時間, IABP開始時期などに差はみられず, IABP施行時間は離脱群の平均109.6時間に対し非離脱死亡群では平均26.9時間とIABPが無効な症例であった. IABP初期効果では両者にCI, PCWP, LVSWI, PVRで有意差がみられ, 非離脱死亡例のCIは1.8l/min/m2, PCWP27.4mmHg, LVSWI12.6g・m/m2/beat, PVR296.2dyne/sec/cm-5であった. 離脱群の離脱直前のCI, LVSWIはIABP開始時期に比較し有意に増加したが, 離脱後4例が腎不全, 1例が消化管出血, 1例が不整脈死及び2例が感染のため病院死し全体の生存率は36%であった. また, 術前, 他臓器不全をg合併した8例はIABP離脱例, 非離脱例を含め全例死亡した. 以上より, IABPの初期効果でCI<1.8l/min/m2, PCWP>25mmHg, LVSWI<15g・m/m2/beatの症例ではIABPの効果の限界と考えられ, また, IABP施行中の他臓器不全の合併は致命的であり, 離脱後は特に腎不全が予後を左右すると思われた. |
